みんとのつぶやき

読んだ本、聴いたCDの感想などをつらつら書いています。

何気ない一言

 ある月刊英会話学習誌に載っていたコラムを読んでいたら、何気なく口にする一言が非常に誤解されているようだった。温泉に入ったとき、おいしいご飯とみそ汁を食べるとき、四季について語るとき、よく一緒に口にされる「日本人でよかった」という一言。日本人でないと、それらのよさがわからない、というように聴こえ、外国人の耳には心地よくない、といった内容だった。
 この場合の「日本人でよかった」というのは、「日本人だからよさがわかる」ではなく、「日本にいることで、気持ちいい温泉に入る機会があってよかった」ではないのか。「おいしいご飯を食べられる機会があってよかった」「桜、新緑、紅葉など楽しむ機会が多く得られてよかった」という意味だと思ってきたし、自分でもその意味で「日本人でよかった」と言ったことがあった。「日本人しかこういった良さはわからない」とは思っていない人がほとんどだと思う。
 著者はコラムを書くくらいなので、思慮深いというか、頭もいい(表現が悪いが私に語彙がない)人だと思うし、おそらく数年は日本在住しているようだ。それでも上記の「日本人でよかった」は「日本人で、このよさがわかるから、よかった」と理解され、「日本人で、日本にいるから、楽しむ機会がもててよかった」とは理解されない。外国に暮らしたことのある人でないと、「日本にいるっていいね」という表現にはならないと思うが、日本語の何気ない省略のされ方もとんでもない誤解を生む見本みたいだ。日本人が自分たちのことをもっと説明しなければ、とよく言われるが、こうした何気ない事柄にも表れている気がする。

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